角瓶に関して 3
2020/01/14
角瓶に関して 3
岡山のバーでも、キープ・ボトルを行うお店が多かった時代。
ウイスキーのキープ・ボトルが出世とともに替わっていた時代があります。「角瓶」から「オールド」へ、そして「リザーブ」「ロイヤル」へ。「お前には、まだ早い」と言われたり、「お前もこれが飲めるようになったか」と言われたりしていた時代です。しかし、出世しても「角瓶」を愛する方が多いのは、なぜでしょう。3世代、愛され続ける「角瓶」について。
福輿 伸二 氏のエッセイより
一つ一つの材料の味わいを確かめて、必要とあれば臨機応変にレシピを変える。いつも変わらないベストな味わいを生み出すために。
実はサントリーのブレンダーの仕事も同じです。
角瓶を例にお話させて下さい。
発売は1937年。以来、80年近くの間、角瓶の“ブレンドの姿勢”は少しも変わることがありません。
何より大切にしてきたのは“ウイスキー本来の力強さ”です。
「変わらないのが角のよさ」
角瓶ファンの方々は、口々にそうおっしゃいます。
「キックがある」
「ガツンとくる」
メローでも、清々しさでもない、“キック”と“ガツン”。角瓶にはいつの時代にも“キック”と“ガツン”がありました。そしてこの“キック”と“ガツン”の源は何かといえば、私たちが大切にしてきた“ウイスキー本来の力強さ”に他ありません。
味わいは変わらないとはいえ、角瓶に使用する原酒のタイプや配合比率は、時代によって変わりました。
次回は、「ブレンド」について