ライムジュースに関して 2
2019/10/27
ライムジュースに関して 2
長い航海でのビタミンC不足による「壊血病」で「ライム」が使われましたが、
新鮮なライムも長い航海では痛んでくる。1個痛めば、そこから全てにおよんで腐りはじめる。まだ冷蔵設備など夢の時代。柑橘類の保存は、一般的にはアルコールを加えたり、砂糖を加えたり、煮てみたりと様々だったようだ。
やがて1867年、ノンアルコールでライム・コーディアル(加糖されたライムジュース)を生み出して特許を取得する。保存可能なこのローズ社のライムジュースは、すぐさま軍艦や商船が取り入れる事になった。ライムの保存管理にアタマを悩ます必要もなく、費用対効果も高かった。またイギリスの一般家庭でも様々に活用された。
かつてジンベースのカクテル「ギムレット」には、ローズ社のライムジュース、と言われていた。フレッシュなライムの入手が難しい時代に、画期的な割り材として、定着したからである。
幸いにも私たちは今、当たり前のようにフレッシュなライムを入手できる。「ギムレット」もドライジンにフレッシュ・ライムジュース、少量のシュガーシロップというレシピが一般的だ。
ライムの状態にもよるが、シロップの甘みを加えない、極めてドライな仕上がりを好む人たちもいる。
現在の「バー」でライム・コーディアルがあまり使われないのは、設備の発展によるものであろう。しかし「昔のギムレット」に興味を持たれる方もいらっしゃる。
また、ライム・コーディアルの甘みと色を、大切に考えるバーテンダーの方々もいらっしゃいます。