ウイスキーの味　第3話

大変、間隔が開いてしまい申し訳ございません。

 

 

「品質を守るために、頑なにレシピを守る」と言うことはなく、むしろ、「品質を守るためにレシピを変える」　　それがブレンダーの仕事です。

 

構成原酒のバッチが変わった時、同じ香味のブレンドをつくるために何をするか。

一つの方法は、配合比率を変えること。そして時には特殊な原酒を加えることも。いずれにしても答えは一つではなく、どのタイプの原酒をどれくらい増減するかも含めて、絶対的な正解はありません。

ブレンドの香味をリカバーし、チューニングする方法はいくつもあり，ブレンダーは経験を重ねるにしたがい、それがよく見えてきます。その中で何を採用するか、時に悩ましく思うのは、ある意味、ブレンドの腕が上がっていることの証かもしれません。

 

「ブレンドを完成させるために必要なのは、99回のやり直しと、1回の妥協」

 

テストブレンドを繰り返す。どこかでケリをつけなければならないのに、「1回の妥協」がなかなか出来ない。そして時には、99回のやり直しの果てに、それはようやく可能となる。

 

昔ながらのお客様に「変わらない味」を味わって頂くために。