角瓶に関して 5
2020/01/24
角瓶に関して 5
今回は、少し雑学をお伝え致します。
「サントリー」という名前は、会社の社名となる以前は、その会社が作っていた「ウイスキー」の名前でした。
サントリーの前身である寿屋が、1923年山崎の地で日本初の本格的なウイスキーづくりに着手し、1929年に発売した国産ウイスキー第一号。そのウイスキーに付けられた名前が「サントリー」でありました。
名付けた人は、明治生まれの鳥井信治郎。寿屋(現・サントリー)の創業者でもあり、サントリーウイスキーの初代マスターブレンダーです。
「週刊朝日」1953年3月1日号に掲載された、晩年の信治郎の言葉を抜粋します。
「わたしとこは、もともとウヰスキー屋でなく、ブドウ酒屋なんですよ。赤玉ポートワインがそのころよう売れましてね。」「サントリーの味はわたしがつくったんでなく、自然がつくってくれた。資本は赤玉の需要者、販売者が出してくれたんですから、わたしは決して、サントリーウイスキーを一人でやった、ちゅうようなことはいわないんです。ただお取り次ぎしただけです。」
「サントリーの恩人は赤玉ポートワインですからな、赤玉をサン(太陽)と見て、それからわたしの名前の鳥井をくっつけたんです。」
「初期の頃は、こげくさくって飲めなかったですよ」との言葉に、信治郎は「実際、飲めなかった」と認め、「なんぼつくっても売れんから、蔵へいれ蔵へいれして、ほっといたんです。ストックするうちに、だんだん味がようなった。禍い転じて福となったんですな。」
との事です。「角瓶」は広まった愛称です。今は、カタログにも「角瓶」との表記がありますが、ボトルにはありません。